超有名ドラァグクイーン、カルロッタ姉さんはホントにカリスマだった
去年の夏、知り合いの母娘がバンクーバーに1週間ほど遊びに来た。
バンクーバーくんだりまで来るんだから、大学生の娘ちゃん、外国や英語に興味あるのかと思いきや、全然興味なくって、海外旅行も子供の頃の家族旅行以外ないらしい。
それでも、あちこち連れ回して、それなりに楽しんでくれてるようだったが、バンクーバーもたいして広くないので、後半戦は連れていくところが種切れしてきた。
そんな時ふと、「あ、、、カルロッタ姉さん?」と思いつく。
ダメもとで、恐る恐る二人に打診してみる。
「えーっとさ、ドラァグショーって知ってる? 私の知り合いの知り合いが、土曜日の夜にダウンタウンでショーやってるんだけど、、、行って見る?」
「、、、ちょっと怖いけど行く! お父さんにはナイショね!」
「了解!」
ショー自体は午後10時半にはじまるのだけど、いい席で見たいのでTちゃん(カルロッタ姉さんの友達)に、何時頃に行けばいい席取れる?とメッセージを送ったところ、「9時半ごろでいいんじゃない? 私そんなに早く行ったことないけど(笑)」と。
さすが遊び人。
飲み屋さんでは年齢確認される事もあるから、念のためにパスポート持っていってもらってたけど、特に確認もされず、チャージ代10ドルを払って店内へ。
取り立てて、ショー用の席があるわけじゃないので、最前列、ど真ん中のテーブルを確保しビールを飲み始める。
ついでにショーのレクチャーを二人にしておく。
前の方の席だから、立ち上がったりして後ろの人の視界を遮らないように、とか、チップの渡し方とか。
カナダでは5ドル札(カナダで最少額の札)を用意しておいて、ショーの最中、適当なタイミングでステージに近寄って握ったお札をヒラヒラすれば、舞台から姉さんが近づいてきてくれるので直接手渡す。
ちなみにドラァグクイーンショーフリークのマーさんによると、アメリカで一番小さい額の札は1ドルなので、たくさんチップもらった風に見えても、実は大した額にならない事が多いらしい。
だから最低でも5ドルスタートのカナダでのショーはドラァグクイーンに人気なんだとか。
一応、母娘にも5ドル札を渡しておいた。
まあ、外国で初のドラァグショーでのチップは、ちょっとハードル高いだろうけど、まあ念のため。
そうこうするうちに、ショーが始まる。
何人かのドラァグクイーンが舞台に上がっては、はけていく。
もちろんMCは私の敬愛するカルロッタ姉さん
下ネタも多いんだけど、基本的にお客を巻き込んでのトークがうまい。
特別、観光スポットでもないから、英語もネイティブのスピードでどんどん進んでいく。が、基本、野太い声でシャキシャキ喋るから、聞きやすい。
リスニングの勉強になるね。
普段使える英会話かといえば、ちょっと違うけど、、、。
英語大丈夫かな?
飽きちゃってないかな?
と、母娘を見ると、薄暗い中でも、ステージを食い入るように見ている。
あ、なんか大丈夫そう。
しばらくすると、おもむろにお母さんの方が立ち上がり、カルロッタ姉さんにチップを渡した。
内心、「おおおお、ついに!」と拍手を送っていると、次に、なんとあの娘ちゃんまで立ち上がった!
しかーも、カルロッタ姉さんったら、5ドル札を娘ちゃんから受け取ると、おもむろに手の甲を娘ちゃんに差し出す。
「!!」
すると、なんと動じる事なく件の娘ちゃんは、差し出された姉さんの手の甲にキス!
「!!!」
キスをもらうと、何事もなかったのように、ステージの中央に戻ってショーを続けるカルロッタ姉さん。
おいおいおいおいおい!
今、何がおこった?
姉さんがお客に絡む時は、マッチョな男子とそっち系の話したり、若い女子をおもしろおかしくディスったり、が多いから、一言も喋らずのこの感じの絡みはだいぶ珍しい。
ショーが終わり、動揺を隠せないまま店の外にでる。
「楽しかった〜!」と母娘。
よ、よかったよ、喜んでもらえたみたいで。
後日、お母さんから連絡があって、どうにもこうにも英語に興味なかった娘ちゃんが、
「カルロッタ姉さんのトーク理解できるように、英語勉強する!!!」
と、一念発起してるらしい、、。
どんなとこに、英語のモチベーションが転がってるかわかんないね、ってな話。
というか、あのタイミングで、あの娘ちゃんにキスをさせる、、、やっぱカリスマだなあ、カルロッタ姉さん。
*去年のハロウィンでのショー。写ってるのは全員一般のお客さん、、、。
カリスマドラァグクイーンとビアガーデンで一緒に飲んだ話
それは数年前の青空が広がるバンクーバーPRIDEの開催日。
メインストリートは、ゲイの人や、女装の人たちのパレードを目当てに、大勢の観客で溢れかえる。
私にとってはじめてのゲイパレードだったので、ワクワクドキドキしながら、いつものスチャラカ友人たちと沿道を陣取り、すっかりスタンバイオーケー。
思い思いに趣向を凝らしたフロート(山車)が通り過ぎ、時間が経つのも忘れて、見入っていたら、ひときわ目立つドラァグクイーンが登場。
見た目は、ナジャグランディーバとIkkoさんを足して2で割って白人さんにした感じ?
普通は音楽にあわせて、フロートの上で人びとが踊ったり手を振ったりするだけなんだけど、彼女だけはマイクを持ってMCしながら、取り巻きの人や観客を巻き込んで、おもしろおかしく盛り上げながら通り過ぎていく。
「ほえー、カリスマ姉さんやなあ」などと思いつつ、パレードが終わったところで、川沿いの広場のビアガーデンにみんなで移動。
そして適当にまわりの人と話ししながら飲んでたら、マーさんの友達、Tちゃんが合流。
Tちゃん超美人。
しかも、身長、170cm以上あるだろうに、20cmくらいのヒールのブーツはいて更にでかい。しかも衣装デザイナーだけあって、ド派手なバービーみたいなコスチューム姿。
は、はずめますて、、、ナイスツーミーチュー。
ちらり、と見下ろされ、
「、、、ハロー」
とTちゃん。
すげえ迫力だな、おい。
別にTちゃん、本当に見下してるわけじゃなく、人見知りなだけだったんだけど。
ふと見ると、Tちゃんの隣に見覚えのあるお方が。
「!!」
さっきのカリスマ姉さんじゃないかーい!
姉さんったらまわりのみんなと軽く談笑した後も、私らグループに留まり、一緒に飲んだり談笑してる。
私の視線はもう釘づけ。
いかん、そんなに好奇心丸出しでジロジロ見てはいかーん!
と頭ではわかっているものの、ややもすると視線がそっちに向いてしまう。
しかも姉さん、私の目の前のパイプ椅子に座って、超ミニスカートで足くんで座ってるから、おパンツ丸見え。
みせパンなのか?
いや、そんな事はどうでもいい。
夏のバンクーバーの真っ青な空の下、私の目の前で、フルメイク&フル衣装のドラァグクイーン」がうまそうにビールを飲んでいる。
なんと言うか、ドラァグクイーンって、テレビやパレードの世界の人だと思ってたから、普通にみんなと世間話してる姿が衝撃的で、脳の処理がついていかない。
後で聞いたのは、彼女はバンクーバーで超有名なドラァグクイーン、
カルロッタガールだった。
*去年のプライドのプロモーションビデオ↓
Tちゃんのお友達で、Tちゃんが衣装をデザインして作ってあげたりもしている仲なんだと。
私がはまったドラマ『Lの世界』にもちょっと出演しているのを発見して、再び大興奮。
バンクーバーで撮影してたんだよね。
その後も、ダウンタウンのバーで週末やってる姉さんのショーをちょいちょい見にいったりしている。
青空の下での出会いが強烈すぎて、大ファンになったのさ。
(その後)
50の手習い、まさかの元素記号暗記で幕をあける
バンクーバーの冬は雨が多いので、子供と一緒の休みの日は持て余してしまう。
子供らはまだファッションにも興味がないのでショッピングも行きたがらないし、たまにプールに連れて行くくらいが関の山。どうにもネタ切れで、頭を抱えていた。
ところが、去年の子供の誕生日に、うちから車で10分くらいにあるバンクーバー科学博物館の年間パスを親戚に買ってもらって以来、結構な頻度で訪れている。
科学系の展示や、自分で体験できる遊具やパズルやらあって、行けば必ず閉園まで滞在するくらい子供たちはハマっている。
しかし、ここでも若干問題発覚。
「ねえ、なんでこうなるの?」と子供たち。
わかりません。
「これどういう意味?」
知らない。
ああ、とっても文系な自分が悲しい。
子供たちが熱心に実験に見入っている時に、ポケモンGOで時間をつぶす母。
ねえねえ、新しいポケモンいるよ!
と娘に小声で囁いたら、「しっ!」って怒られた。
私の両親は共に他界しているのだが、二人とも理系で、母は学生時代、数学が一番好きき、父は中学教師で物理も教えていたという、初刊からニュートン(科学雑誌)が転がっているような家に育った。
にも関わらず、これだよ。
ひまな時はニュートン読んだんだけどなあ。
ちっとも身につかなかったなあ。
科学博物館の年間パスは、大人二人と子供二人が有効なので、元ダンナもパスを持っている。
もちろん一緒には行かないんだけど、子供が元ダンナの家にいてもどこにも連れて行かないので、せめて無料のパスがあれば科学博物館に一緒に行ってくれるのではないかと淡い期待を込めてパスを渡した次第。
まあ、結局、今まで2回しか連れて行ってくれた事ないんだけど、元ダンナは超理系なので、子供の質問にはガンガン答えてくれるらしい。
いいとこ探すの難しい元ダンナだけど、そこだけは感謝している。
ただ、子供いわく、ちょっと質問すると、一から十まで説明が入ってめんどくさいんだと。
「もういい、もういい、わかったから」って言っても、「待て待て待て」と長〜い説明が続くらしい。
、、、すまんね、両親ともに極端で。
帰りに、お土産屋さんんで珍しくおねだりされた。
『子供のための総合科学』という本と、『元素の周期表のパズル』
オッホッホ。
買ってあげますとも!
ビバ知的好奇心。
帰りの車の運転しながら、「母さんも中学かなあ、元素記号覚えたっけねえ」と懐かしんでいたら、娘が、「え、これ覚えたの?」と。
そうだよー、大変だよー。
君たちも、中学入ったら覚えなきゃいけなんじゃない?
フヘヘへ。
「じゃあさ、今からパズル作ってさ、完成したらみんなで覚えよう!」と、娘。
いいね、いいねえ。スタートダッシュしとくといい、、、へ? みんなって?
「マミーも、弟くんも、みんなで毎日一個ずつ順番に覚えていくの。そうしよう!」
いや、母さん、もともと記憶力ないのに、年とって更にひどいことになっ、、。
「ダメダメ、みんなで毎日一個。決まり!」
、、、。
生まれてこの方50年、「こんな時、あの元素記号知ってれば!」ってな場面に一度も出くわしたことないのに、今更覚えるとか苦行でしかない。
しかし、せっかくの知的好奇心、、。
まあ、すぐに飽きるだろうから、それまではつきあうとするか。
とりあえず、いちばん最初の元素記号は、Hで水素。
はい、おぼえた。
サンフランシスコ(6) アルカトラズ島は海風で吹きっさらしなのだ
(↓からの続き)
メーちゃんは今日もお仕事。
残りの3人で、今回の旅で1番のメジャーどころのアルカトラズ島 へ。
言わずと知れたサンフランシスコ湾に浮かぶ、かつては鉄壁の砦を誇る刑務所があった島。
フィッシャーマンズワーフ付近から、チケットを買って、小さなフェリーに乗り込み、20分くらいで到着。
、、、めっちゃ寒い。
吹きっさらしの湾にポツンと浮かぶ島なので、海風がひどい。
上陸したあたりの広場で、ガイドさんらしき人がみかん箱みたいなのに乗って、アルカトラズ島についての詳細や、注意事項等を説明を始めていた。
何人も脱獄を試みて、たいていは脱獄後すぐ再逮捕されているのだが、脱獄後の所在が結局わからないケースが1件だけあるそうな。
この脱獄の手口の詳細はツアー内の音声ガイドでもとりあげられているんだけど、その3人組が脱獄後、アルカトラズ島から海を渡って脱出して、無事本土に生還しているかは、確認がとれていないらしい。
ガイドさん曰く、確認が取れない以上、その脱獄のケースをして『成功した』と言っていいのか、どうなのか、、ってな話だった。
政府としては『いまだかつて誰も脱獄できなかった刑務所』ってタイトルのままにしておきたいたいのか?などと思いつつ、ひとしきり聞き終えたら人の流れに乗って建物の中へ。
列の先端で、各国版のオーディオガイドのイヤホン機器を渡される。
日本語版もちゃんとあった。
ナッちゃんが私に聞いてきたので、すかさず「日本語版で」と、答える。
係の人にナッちゃんが、英語版2つと日本語版1つを頼む。
機器を手渡しながら、「えっと、まず日本語版はどなたが?」と、係のお姉さん。
すると、マーさんが、なぜかナッちゃんを指差す。
若干ひるむお姉さん。
なにやってるんだよ、マーさん。アメリカンジョークかよ。
「いやいや、見ての通り私です!」と、慌てて私が受け取ると、ガイドさんも、
「ははは。一応、こっちも聞かなくちゃいけないのよ。実際、見た目じゃわかんないもんだからさ!」と、明るく答えてくれた。
全員機器を受け取ると、オーディオガイドの音声にしたがって、ぞろぞろと館内を練り歩く。
*脱獄成功の3人組がそれぞれスプーンで掘った脱出口。
頭部もいろんな物使って作ったダミー。すげー。
まさにプリズンブレイク。
さすがちゃんとした観光地だけあって、音声ガイドのツアーが洗練されている。
すっかりアルカトラズ博士になって帰路へつく私。
帰りのフェリーにて、海を眺めながらマーさんがポツリと呟く。
「そろそろビールの時間だね」
その後、マーさんの希望により、またまたビール醸造所兼バーで飲む。
これにて、サンフランシスコの旅は終了。
メーちゃん、まだまだ出向続きそうだから、ぜひ再訪したい。
*これは、フライドピクルス。
よくある酒のつまみらしいが、一本丸々揚げるのは珍しいらしい。
味は、まあ、「変わってんなあ」って感じ。
サンフランシスコ(5) ドラァグショーには、意外においしいビュッフェがついていた
(↓からの続き)
大のドラァグショー好きのマーさんが、どうしてもっていうんで、ダウンタウンのブランチ付きのドラァグショーにみんなで繰り出した。
スマホで、配車サービスのUBERを呼ぶと、すぐにで近くにいる契約車が迎えにきてくれる。便利、便利。
車内でおしゃべりしまくっていたら、会話が途切れた隙をついて、運転手さんが、「どこから来たの?」と聞いてきた。
一同微妙に苦笑い。
UBERやタクシーに乗って、聞かれなかったことがないくらい聞かれるこの質問。
車内でオーストラリア英語と、アメリカ英語と、アジアなんちゃって英語で、やいのやいの喋り倒してるから、どんな集まりなんだ?と不思議に思うらしい。
いつも助手席に座っているマーさんは手慣れたもので、
「ひとりはシアトル、私はカナダ国境近くの町、残りの二人はバンクーバー在住で、そもそもの出身はオーストラリアと日本」と、ひと息で答える。
ドライバーさん、ようやく納得。
そんなこんなで会場のStarlight Roomに到着。
ブランチ付きなので、お客さんはショーの前に各自食事をする。
ビュッフェスタイルで、「食事は所詮ショーのお飾りで、たいしたことないんだろうな」と、ぜんぜん期待してなかったんだけど、これがびっくりおいしいの。
プライムリブのローストビーフとか、白味魚のソテーとかに加えて、サラダやデザートがいっぱい。
飲み物は別料金だけど、知らない間にメーちゃんが払ってくれてた。
しかし、ショーの時間になってもなかなか始まらない。何気なく、
「なかなか始まんないね」
と呟いたら、みんな一斉に振り向いて、
「おかまがやってるショーが時間通りに始まると思う?!」
って怒られた、、。
おかまの遅刻は常識らしい。
お化粧とか大変そうだもんね。
なんだかんだでやっとショーが始まり、メインMCは、カルーセル麻紀風の姉さん。
下ネタバリバリで、英語がよくわかんないとこもあったけど、こういうショーにしては珍らしリップシンク(口パク)じゃなくて、本人が歌ってたのが新鮮だった。
なんか、ジュエリーが入ったスーツケースを忘れてきちゃって、本来予定していたものと違うものをつけなくちゃいけなかったらしく、事あるごとにそのことを謝っていた。
私から見たら、充分ゴージャスで、キラッキラでステキに感じたんだけど。
その後は、ビヨンセ風や、ロバート秋山もどきが出てきて、この人たちは口パクで歌い踊る。
最後に、出口で出演者と写真撮ってくれるサービスがあり、みんなで記念撮影してショーは終了。
手前にいるはずのカルーセル姉さんの顔の小ささよ。
(↓続く)
サンフランシスコ(4) トレジャーアイランドのフリーマーケットで多国籍料理食べまくり&飲みまくり
(↓からの続き)
5年近くサンフランシスコに住んでいたにもかかわらず、貧乏学生だったもんで、有名どころの観光らしい観光はほとんどせずに帰国してしまった。
今回の旅では、ようやく念願のサンフランシスコ観光。
まずは、マーさんがアンティークの買い出しをしたいと言うので、朝早くからホテルを出発し、週末開催のトレジャーアイランド のフリーマーケットへ。
青空の下、工芸品やら、アンティーク屋さんやら、おもちゃ屋さんやら、雑多な種類のお店が海岸沿いの歩行者天国に並ぶ。
*子ヤギを連れて散歩してる人
マーさんが買い付けしてる間、残りの3人で朝食をとるために、これまたずらりと並んだフードトラックをチェック。
それはもうサンフランシスコ名物、クラムチャウダーに始まり、鮨から、ベトナムフォーまでありとあらゆる各国料理がずらりと並ぶ。
まだ朝早いこともあって頭もまだよく働かず、あまりの種類の多さにうろたえていると、今や現地人のメーちゃんが中華まん的な何かをおすすめしてくれて、とりあえずそれを食べてみることに。
うまい。
何が入っていたのか、いまいちおぼえていないが、チキン、ポーク、ベジタブル、の3種類だったような?
そして、入場料にサングリアが一杯ついてくるので、午前中から、というか、早朝からサングリア。
そのサングリアを配っているブースのお兄さんが、「チケットなくても、ちゃんとサングリアもらえるから安心して!」と並んでいる客に呼びかけている。
「イェーイ」「サンキュー」とノリよく答える私達。
そこでマーさんがボソリと、「ほらね、あんたたちはサンキューって言うでしょ。見て、アメリカ人は、あったりまえだろって顔してる」と嘆いていた。
それは何、お国柄の違いって事なの?
それはさておき、その後はそれぞれ思い思いの食べ物を調達しつつ、青空のもとビールをかっくらい、そのままトレジャーアイランド内にあるワイナリーで、ワインテイスティングのはしごへと突入。
ワインティスティングは、だいたい15ドルくらいで、そのお店のボトルワインを1本買うと、ティスティング代が無料になる仕組み。
そう、安いワイン1本買っちゃった方がお得。
ティスティング自体はみんなでシェアしてもいいので、みんなで少しずつまわし飲み。
ワイナリーをはしごしながら、各自が順番にボトルを1本ずつ買ったので、ティスティング代は結局無料。
サングリア→ビール→ワインと続き、途中で私はギブアップ。
みんなガタイがいいから、どんだけ飲んでもけっこう平気なんだよねえ。
*青空の下、ワインのティスティング中(他人のグループ)
(↓続く)
サンフランシスコ(3) 寿司シェフが20年たっても怖いくらい変わってなかった件
(↓からの続き)
母校の次は、記憶を頼りにグーグルマップで探し当てた、当時ホームステイしていた家へ向かう。
あああ、まだ家がある~。
20年前と変わらない外観。
車を止めて、家の様子を眺めながら、しばらく考えあぐねた後、私はナッちゃんに告げた。
「ナッちゃん、私、ピンポンしてくる。多分もう引っ越しちゃってホストファミリー住んでないとは思うけど、ここで確かめないで帰ったら後々後悔すると思うからさ。車から様子見てて」と言い残し、ひとり玄関へ。
「ピンポーン」
誰も出てこない。
勝手知ったる裏口に回ってみる。
一台のトラックが止まっていて、日焼けしたおっちゃんが中で昼食をとっていた。
恐る恐る近づき、
「あの~、実はこの家に20年ほど前にホームステイしていた者なんですけど、ここって、XXさんちじゃないですよね?」
突然のことにおじちゃんびっくりしてたけど、家の中の改装をしている業者さんだそうで、ありがたいことに契約の書類をがさごそ取り出して名前を確認してくれた。
「ええっと、オーナーの名前はミスターXXだね」
「ミスターXX! その人、その人が私のホストファーザーだったの!」と興奮気味に叫ぶ私。
おっちゃんも驚いたみたいで、慌ててトラックから降りて、
「ミスターは中にいるから、ついておいで」
と、家の中へ招き入れてくれた。
「ミスター! ミスター!」と家の中でくれる。
ドキドキドキドキ
おっちゃんが2階へ消えて、しばらくすると、ゆっくりとホストファーザーが不思議そうな顔で階段から降りてきた。
あわあわあわ
若干気が動転するも、「怪しいものではない」とわかってもらうために、すかさず自己紹介して、持参していた当時の写真を見せる。
ホストファーザーは、しばらく写真を見つめ、「ああ!」と思い出してくれた。
残念ながら、ホストマザーは病気でふせっているとのことで会えなかったけれど、ホストファーザーは、突然の訪問をとても喜んでくれた。
当時、なぜだか二人は、滞在している学生だけじゃなく、他の留学生にも、『パパさん』『ママさん』と呼ばれていた。
いつホストファミリーをやめたのかは聞かなかったけど、会話の中で当時と同じように、「パパさん」と呼んだら、一瞬で顔がほころんだのが印象的だった。
久しぶりにそう呼ばれたのかも知れない。
20年もの間、どれだけの留学生をあずかってきたのかわからないが、本当に本当にいいホストファミリーだった。
ちゃんと当時のお礼が言えてよかった。
その後は、またも当時お世話になっていたオーナー兼寿司シェフのお寿司屋さん、
HIGUMA:Sushi-Japanese Restaurant を突撃。
オーナー、全然変わってない、、、。
事前に写真を見せていたナッちゃんたちも、「ちょっと、全然変わってなくて怖いんですけど」とヒソヒソ話している。
こちらも、当時の写真を見せたら思い出してくれた。
そして、寿司フリークのマーさんはここのお寿司を絶賛。
このお寿司屋さんのためだけでもサンフランシスコ再訪したいと言っていたほど。
ほんと今でもリーズナブルな値段で、変わらず美味しくって、懐かしさ倍増。
*20年前。白いトレーナーがオーナー
(送別会で偶然マック鈴木と会って一緒に飲んだ)
*20年後のツーショット
オーナー、荒木飛呂彦系の顔立ちだから年をとらないのか?
(↓続く)
サンフランシスコ(2) なつかしの母校への道のりはなぜかオーストラリアの香り
(↓からの続き)
夜遅くサンノゼ空港に降り立ち、この日はそのまま近くのホテルで就寝。
翌日、マーさんは、サンノゼ付近のアンティークショップめぐり、私とナッちゃんは私の思い出の地めぐりへ。
*よくわかんないアンティークのヤギがこの日から仲間入り
最初の目的地は、我が母校College of San Mateo
サンノゼから離れ、サンマテオが近づくにつれ、見覚えのある景色が増えてくる。よく立ち寄ったスーパーマーケットや、当時すでに年季が入っていた家具屋さんなどを見つけるたびに嘆息が漏れる。
「ナッちゃん、私、昔のいろんな記憶が怒涛のように押し寄せてきて、頭で処理がついてかなくって、なんかもう吐きそう」と、助けを求める私。
「私もー。このあたりの街路樹がオーストラリアと同じユーカリで、街並みがそっくりなの。おんなじ匂いもするし、知らない街なのに懐かしくて変な感じなのよ」と、思いにふけるナッちゃん。
なんでだよ。
ここは私の思い出の地でしょうが!
二人とも若干無口になりながらも、車を走らせていると、とうとう母校についた。
やっぱり、さっぱり、様変わりしている。
20年もたてば、そりゃ変わるわな。
唯一、当時の外観を残していた図書館を背に、校舎眺めていると、
「ああ、その建物で卒業式したんだ!」
「この中廊下の先に、コンピュータ室があったんだけどなあ」
と、記憶がどんどん蘇る。
当時は、分厚い英語の壁に悩まされ、お金もない、授業も現地学生と混ざって超シビア、と決して楽な生活ではなかった。卒業してから何年も、「実は単位が取れてなかった」だの、「試験中に筆記用具がない」だの、夢に出てきてはうなされたものだ。
しかも、それまでの己の常識を覆され、とまどう事も多く、
コンピュータのクラスの男の先生が、長髪で、バイク乗りで、ベジタリアンで、革ジャンで教壇の上に足くんで座って授業してたり、
エレクトロニクスのクラスで、飛び級してきたと思われる中学生くらいの男の子と一緒になって課題したり、
数学のクラスで日本式のやり方で解答を書いたら、欧米式のやり方はなかったらしく、先生から『?』と答案に書かれ、それでも、「答えはあってるから」と、ちゃんと点数もらってホッとしたり。
この学校で、コンピュータ専攻で卒業したおかげで、帰国してもすぐ外資系で仕事につけたし、その後の人生も、今に至るまでガラリと変わったからありがたい事この上ないんだけど、当時はそんな未来を知る由もなく、本当、辛いこと8割、楽しいこと2割の生活だった。
試験が終わった開放感とか、休み中の貧乏旅行とかが残りの2割。
留学時代のことは20年たった今でも思い出満載で、いろいろ言われてるけど、留学って貴重な体験だと思う。
できる事なら、うちの子たちも経験して欲しいなあ。大変だけど。
母校を後にし、若干しみじみしながらもマーさん、メーちゃんと合流し、 ダウンタウンのブラッディマリーが有名なThieves Tavern - サンフランシスコ へ。
チーズにサラミにアスパラ、オリーブ。
そしてでかいグラスに満タンのブラッディマリー。
もはや軽食。
おいしかったけど。
(↓ 続く)
サンフランシスコ(1) まずはシアトルへ向け出発するも、ビールとカニとえびで途中下車
注:今年1月の話です。
メーちゃんが、カリフォルニアに出向になった。
ある日、そのメーちゃんから「チロリン♪」とメッセージが。
「こっちに遊びにくれば?」
実はその昔、私はサンフランシスコのベイエリアで学生をしていた。
5年弱を過ごし、帰国後ただの一度も立ち寄っていない。
「そのうち、そのうち、、」と思っている間に、20年もの時が過ぎてしまった。
初サンフランシスコのナッちゃんと、「サンフランシスコでアンティークの買い付け!」と、目を輝かせるマーさんと共に、1週間のサンフランシスコ旅行を決行。
出発当日、私がまずバンクーバーから、アメリカ側の国境近くに住むマーさんちへ向かう。次に、シアトルの友達んちに前泊しているナッちゃんと合流し、その後、シアトル空港から一路サンノゼ空港(カリフォルニア)へ向かうという予定。
のはずが、マーさんを拾った後、二人してお腹が減ってしまい、どうにもこうにも渋滞してたこともあって、ハイウェイを降りEverret(エベレット)という町で食事を取ることにした。
はずが、地ビールのテイスティングが好きなマーさんが、Crucible Brewingをと言う地ビール醸造所を見つけてしまい、「きっとビアティスティングがあるに違いない!」と、急ハンドルを切って、車はブイーンと方向転換。
アメリカでは、飲酒運転のアルコールの血中濃度の基準が日本より緩いので、ワインやビール一杯くらいなら大丈夫らしい。体重に比例するから、体の大きい人ほど、オーケーな量は増えることになるそうな。
マーさん曰く、「私の体はあんたを背負ってるみたいなもん」だそうで、まあ、なんというか体がでかい。主に横方向に。
確かに一杯くらいは平気そう。
醸造所では、食べ物は乾きもしかないので、食べ物の持ち込み可とのこと。
そこで、食糧を調達しに再び外へ。
同じモール内で、良さげなThe Cajun Crawfish – The Best Seafood in Town! を見つけ中に入ってみる。
どうやら、カニやらえびやらを、1パウンド(450g位) 単位でオーダーして、次に、茹でたり、蒸したりの調理法を選び、最後ににソース(オリジナルやら、辛いのやら)を選んで、「あなた好みのシーフードを召し上がれ」というシステムらしい。
私は蒸しガニをオリジナルソース。マーさんも同じく蒸しえびでケイジャンソース(辛い)をオーダー。
で、待つこと約15分程。
「汚れるから」とテーブルに敷く用のわら半紙みたいなものをくるくる巻いたものと、カニとえびの入ったレジ袋を受け取り、さっきの醸造所に戻る。
マーさんがビールのテイスティングをオーダーしている間に、もらったわら半紙をすかさずテーブルに敷き、カニ&えびのレジ袋を開けてみる。
中には透明な厚手のビニール袋に、たっぷりのソースにまみれたカニとえびが1袋ずつ。
しっかりと縛ってある袋の口をほどきながら、「なんか、情緒もへったくれもねーな」とも思うが、袋が開くと、とたんにいい香りがあたりに広がった。
とにかく急いでビールで乾杯して、食べてみるとこれがうまいのなんの。
特にえび。
ぷりっぷりで、殻を剥きながら食べる。
カニの方は、殻をむく道具がないので、かなり苦戦したが、味はまあまあ。なんというか、味がやせてる感じだったが、カニにかかっている「オリジナルソース」は非常にうまい。
このソースだけで、白いご飯が何杯もいける感じをマーさんと共有したかったのだが、伝わりそうにないので諦めた。
ビールもおいしかったが、次回来る時は、『蒸しえび&オリジナルソース』のコンビで食することに決定し、寄り道を終え、再び、シアトルに向けて出発。
(↓ 続く)
ハードル高かったエイプリルフールとエッグハントのコンビネーション
イースター前夜。
イースターエッグのお菓子を家中に隠して回らなければならない母は、早いとこ子供らに寝て欲しい。
「母さんももう寝るから」と演技を決め込み、興奮状態の子供らを無理やりベッドに向わせる。
そしたら、案の定自分が真っ先に眠りに落ちていた。
はっと目が覚め、壁の時計を見ると、すでに午前2時。
あぶねー。
そんなに長く寝たつもりはないんだけど、きっと疲れているに違いない。
重い体を持ち上げ、ごそごそと起き出し、朦朧としながら、あちこちにイースターのエッグチョコを隠していく。
足がつかないように、空になったパッケージをでかいゴミ袋に放り込む。
これで抜かりなし。
再びベッドに戻り、改めて眠りに落ちる。
翌朝、目が覚めると、子供が起きないうちに枕元のパソコンで調べものを始めた。
ふと気づくと、パソコンの時計は7時なのに、なぜかスマホの時計はすでに10時を指している。
??
娘のスマホを調べるとやはり10時。
しかしパソコンは7時。
???
外の感じからすると7時で間違いない。スマホの時計をリセットするとやはり7時に戻った。「スマホの時計って狂う事あるんだー」と寝ぼけた頭で納得する。
娘が起きた様子なので、「スマホの時計が狂ってるから直した方がいいよ」と伝えると、「あー、イタズラひっかかんなかったあ」と、残念そうな口振り。
なんとエイプリフールに合わせて、私のスマホと、娘のスマホと、壁掛け時計を全部3時間進めておいたんだと、、、。パソコンはロックかかってるから断念したらしい。
めんどくさい事するんじゃねー。
よりにもよってイースターと重なったエイプリルフールに何してくれるねん!
つまり、午前2時にチョコばら撒いたと思ってたけど、あれは11時だったのね、、、。
そんなこんなで早速チョコハンティングが始まる。
例年通り、膝立ちで届く範囲が息子の守備範囲。娘はそれより高い位置にあるチョコが守備範囲。
二人で着々と探し出していく。
*こんなところや
こんなところにも
エイプリルフール仕様、スライム入りの卵も発見。
*青とオレンジのがスライム入り。
子供らに、「エイプリルフールだから、イースターバニーがいたずらでお菓子じゃなくってスライム入りを置いてったんだね!」と、さりげなく示唆する。
二人とも「あー!」と、納得の様子。
作戦成功。うひひ。
自分の仕事のできばえに若干うっとりしながら、コーヒーをいれてひと休み。
ふと見渡すと、部屋の隅に置きっ放しのゴミ袋の口を縛るの忘れてて、中から思いっきりチョコの空のパッケージが覗いている。
いかん。
コーヒーを置き、何気なくゴミ袋に近づき、口を縛り玄関に持っていく。
あぶねー。
バレるとこだった。
しっかりしろ自分。
もうひとつエイプリルフール仕様の卵として、水につけると恐竜が出てくる金色の卵の形のおもちゃも隠しておいた。
まんまと、
「これ開かないね」
「スライムのやつとも卵の形が違う」
「けど、振ると何かが入っている音がするよ」
と二人で喧々諤々。
すると息子が、「わかった。ナイフを使って開ければいいんだよ!」と声をあげ、即座に娘が反応してカッターナイフを取りに行こうとする。
違う違う、それ、水につけるやつー。
無理やりあけちゃダメダメ。
でも、私は中身を知らないことになっている。
「あー、ちょっと君たち。イースターバニーはナイフ使わないと開けられないおもちゃ、持って来ないと思うんだよねー。母さん、インターネットで調べてみるから、とりあえずそのままおいときな」
「調べるってどうやって?『金色の卵。何』とか?見つけられるわけないじゃん」と、娘。
「そこはさ、『金色の卵、おもちゃ、開け方』とかさ。なんとかなるって。母さんにまかせておいて」
「あー、なるほど。じゃあ、わかったら教えて」と二人。
再び、あぶねー。
ナイフでかち割られるとこだった。
なかなかリスキーだな、エイプリフールのエッグハンティング。
一応、敵がイースター信じている程でいるなら、こっちもとことん付き合うのが私のポリシー。
その後、「あのね、1日か2日水につけとくんだって、金色の卵!!」と女優魂満載で二人に告げる。
そんなこんなで、無駄にハードルの高いエイプリルフール&イースターの1日が過ぎていった。
*こーんなところにもいるのよ